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Lesson7

 子供(小児)の薬

 薬は、病気の治療や予防、調子の悪い症状をおさえたり、病気の重さや病名を調べるための診断に使います。子供も時には薬が必要ですが、大人向けの薬の量を安易に減らして与えられません。子供の体は大人と違います。例えば、赤ちゃんの体内水分量が80~70%もあるのに大人は55~60%、高齢者は50~55%。体も未発達。加齢とともに大人に近づきます。

 内服薬をのむと、通常は大部分が胃で溶けて、十二指腸から小腸へ行く間にこれらの消化管から吸収され、門脈(血管)を通って肝臓に入ります。一部は分解され、残りの成分が血液の流れにのって効果を発揮。時間がたつと尿や便に出て効果は消えていきます。こうした薬の吸収、代謝(体内で外から入った物質がたんぱく質などで変化すること)、排泄の過程(薬物動態)で働く胃や肝臓、腎臓、腸などは、子供は特に未発達
例えば、生後すぐの赤ちゃんは胃酸が少なくpH6~8の中性あたり。生後数ヶ月から3歳頃の間に大人に近づくそうです。感染症を治すペニシリン系抗生物質アモキシシリンは酸に不安定で、この頃に薬をのむと吸収は良くなります。しかし、体内水分量が多く肝臓や腎臓、腸の働きが未熟などで薬の効果が十分出なかったり、薬が体に長く残り下痢や菌交代症など不都合な症状(副作用)が現れることがあります。腸内細菌叢のバランスをくずし下痢しないよう耐性乳酸菌製剤のような整腸薬を一緒にのむと良いでしょう。

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 菌交代症になると、抗生物質で治せる病気の菌が死滅しても、腸内細菌叢のバランスがくずれ、その抗生物質に効かない菌(耐性菌)が現れて別の病気になります。
子供は副作用の症状をうまくいえないので、むずかる・食べないなど心配な様子に気づいたら処方医・薬剤師に相談してください。

 子供の薬は、成長にあわせてのむ時・使う時のタイミングと薬の量をかえます。例えば、生後5ヶ月頃の赤ちゃんは離乳食1回と授乳が5~6回で、お乳をのむとよく寝ます。1日3回のむ薬は、朝・昼・夕あたりの授乳前にのませ、寝ているのを無理に起こす必要はありません。薬の量は薬の説明書添付文書)にあり、子供を小児と記すことが多く、15歳未満がほぼ目安。さらに体重2500g未満を未熟児(低体重出生児)、生後4週未満を新生児、生後1歳未満を乳児、7歳未満を幼児としています。処方薬は量が大人より多いことがあります。例えば、マクロライド系抗生物質酢酸ミデカマイシンの1日量は体重20kgの小学生で400~800mg。大人は600mg。また、添付文書に子供向けの量を書いている薬は20%程度。大人向けの量のみ書いた薬を使う場合、処方医や薬剤師が子供に使えるのか添付文書や資料を調べ、大人向けの量を基準に年齢・体重・体表面積から量を計算して時に血中濃度も調べます。OTC(Over-The-Counter)医薬品は、添付文書の使用上の注意などを読んで子供の使える薬を選びましょう。

a blt019添付文書やお薬情報のわかるサイト

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bullet074医薬品医療機器情報提供ホームページ

 ところで、子供は何かアレルギーをもっていることがあり、小児科や耳鼻咽喉科などで検査しておきましょう。例えば、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など。薬のアレルギーも気をつけましょう。原因はゼラチンやパラベンといった医薬品添加物か有効成分。食物アレルギーを例にみると、卵(卵白)アレルギーの子供は炎症を治す薬塩化リゾチームがのめません。リゾチームは卵白に含まれるたんぱく質です。OTC医薬品を買う時、処方薬をもらう時は、処方医・薬剤師に何のアレルギーがあるのか必ず伝えてください。さて、子供用の薬は甘味と香りなどでのませやすく、OTC医薬品は特にそうです。一方、処方薬 は後味が悪いとか薬が嫌いとかでのんですぐ吐いたりいやがることがあります。一般に内服薬が胃の中にとどまる時間はのんでから20~30分程度。すぐ吐いたならもう一度のませます。のめたらほめてあげましょう。繰り返し吐く時は薬剤師や看護師、処方医に相談しましょう。

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 味を隠す場合、苦味を例にすると味覚センサーは舌の根元yオブラートで包んだ薬を舌の真ん中においてのませます。服薬補助ゼリーは、ゼリーの上に薬をおきその上にゼリーをおいて薬を包んでのませます。食品でものむ時に1回分を混ぜられますが、相性に気をつけましょう。よけいに苦くなったり効果が悪くなります。甘味になるハチミツは、1歳までの赤ちゃんではハチミツにボツリヌス菌が多いと腸内細菌叢の未熟さから乳幼児ボツリヌス症 になることがあるので避けたほうが良いと思われます。食品やオブラート・服薬補助ゼリーの薬との相性、のませ方を薬剤師に相談しましょう。

子供(小児)の薬 (徳島の生活情報誌“さらら” 徳島新聞社発行 2008年9月18日掲載)

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