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ヤドリギ

学  名 Viscum album L. var. coloratum (Komar.) 
科  名  ヤドリギ科(Loranthaceae)
花  期  2~3月
生  薬  名  桑寄生(ソウキセイ)
    
ヤドリギは、2015年4月現在のところ日本薬局方、日本薬局方外生薬規格のいずれにも収載されていない。生薬の基原はヤドリギとアカミヤドリギViscum album L.var.coloratum rubroaurantiacumの葉をつけた茎を乾燥したものである。
市場では桑寄生、槲(こく)寄生、柳寄生、北(ほく)寄生、黄寄生と呼ばれることもある。
寄生類はその寄生主の樹の種類により、基原、名称、成分等が非常に複雑である。
また、市販品は多くの種が用いられており、日本国内でヤドリギ科以外に菌類のサルノコシカケ科(Polyporaceae)のものを梅寄生とか桑寄生と称して市販されていることがあるらしい。
しかし、医薬品としては例えば一般用医薬品は以下のとおり国で規制されている。

 

 薬用部位・効能など

薬用部位  効  能 方  剤  備  考
 枝葉、茎

 補肝腎、去風湿、強筋骨、安胎:
降圧作用、利尿作用、抗菌作用

桑寄散
独活寄生湯
桑寄降圧湯
桑寄生安胎湯
 神農本草経上品収載
「桑上寄生」

一般用医薬品

平成23年度、厚生労働省で一般用医薬品(生薬及び動植物成分)のリスク区分の見直しが行われ、一般用医薬品の生薬成分ソウキセイは第3類医薬品から第2類医薬品にランクアップした。ただし、外用剤は第3類医薬品である。薬食安発0426 第4号(2013年4月26日)において、ソウキセイは「ヤドリギ科の植物を基原とする生薬を含む」と告示されている。同じヤドリギ科植物セイヨウヤドリギの枝葉梢、茎、葉が強い活性を持つ強心配糖体を含有していることなどから規制区分が変更された。

セイヨウヤドリギ  情報はコチラ ⇒「統合医療」情報発信サイト

雑  談

ヤドリギは、北海道から九州に分布し、クリ、コナラ、ブナ、サクラ、エノキおよび中国、朝鮮半島などの樹上に寄生する常緑低木である。
高丸山(勝浦川の上流、那賀町(旧木沢村)と上勝町の境にある標高1,438mの山)登山道を散策していて、そのままでも生薬になりそうな乾燥したヤドリギを拾った。周辺の広葉樹を見上げると、新芽の出た枝にいくつもが寄生し、春の日差しをうけて光っていた。地上からかなり高い場所で、しかも細い枝に寄生している。ダイエットをしてきたとはいえ、よじ登って観察するわけにはいかなかった。一方、牟岐港から南3.27kmの沖合に浮かぶ小さな島、出羽島のシラタマモ自生地近くで、ヒノキバヤドリギを観察できた。これらパラサイトなヤドリギ類は樹の養分を吸いとる。双方の個人的な印象をいうと、ヤドリギよりヒノキバヤドリギのほうがなんとなく異星から来たエイリアンのようで不気味にホラーっぽくみえる。

viscum album3 viscum album1 viscum album2
地面に落ちてよく乾燥した高丸山のヤドリギ
葉と茎は薬用部位
広葉樹に寄生している高丸山のヤドリギ 出羽島のヒノキバヤドリギ
     Photo K.Yamashita
資料  
1) 厚生労働省公開資料
薬食安発0426 第4号(平成25年4月26日)
平成23年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会資料 他
 
2) 漢薬の臨床応用 医歯薬出版
3) 原色和漢薬図鑑(下) 保育社
4) 原色牧野植物大図鑑・原色牧野和漢草大図鑑 北陸館
5) PMDA (独立行政法人医薬品医療機器総合機構)  
6) 植物の同定 徳島県立博物館

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