A 介護保険というのは、40歳以上の人は保険料を支払っていて、65歳になると介護保険センターから「介護保険証」が送られてきます。しかし、「介護保険証」が来たからといって「医療の保険証」のようにそのまま介護保険の「サービス」が受けられるわけではありません。「介護保険」は、ご本人やご家族が自立支援を目指すために利用するためのものです。 A 介護保険の「サービス」を受けるためには、まずは申請が必要です。申請書に「介護保険証」を添え提出し、訪問調査及び審査を経て要介護度が決定されます。要介護度に応じて利用できる限度額が決まります。ある人はヘルパーさんをお願いしたり、ある人はデイサービスを利用するなど、サービスの内容についても「ケアマネージャー」と一緒に作る「ケアプラン」という計画書に沿って行われます。自分の好き勝手にデイサービスに出かけてもいいというわけではありません。そして、受けた介護サービスの内容に従って、「利用料の1割分」を自己負担する仕組みになっております。 A さて、薬剤師がお宅に伺う居宅(在宅)療養管理指導(以下 在宅訪問)についてお話します。「在宅訪問」を受ける前には、「ケアプラン」に組み入れる必要がありますが、その前に、薬局とご本人(または、ご家族)との間で契約書を取り交わすことからスタートです。契約書の内容は、利用料が発生すること。1ヶ月に4回までは伺えること。(緊急の場合はそれ以上も可)薬剤師の行った指導の内容については主治医とケアマネージャーに報告しなければならないことなどとなっています。契約書は2部作成し、署名押印の上、それぞれ薬局とご本人が1部ずつ持つようにします。 A では、薬剤師は具体的に、お宅へ伺って何をするのでしょうか? 患者様によっては、お薬が決められたとおりに「飲めずにたくさん余っていたり」、「飲み込みづらくて、こぼしたり」、「副作用が出ているのに気が付かなかったり」することがあります。お薬についての悩みはたくさんあると思います。その他、血圧計や血液の酸素濃度を測定する器械をもっていくケースもあります。 A 利用料のことですが、「介護保険」のサービス限度額の上限まで使っておられても、薬剤師の行う「在宅訪問」は限度額とは関係なく使うことができます。かかる料金は、平成26年4月現在で503円となっております(月4回まで)。それ以外の費用として、お薬代は必要となります。 | |||||
A 活性炭の目的は腎機能低下が進んで、人工透析になるのを遅らせることにあります。ご存じのように腸の中には無数の細菌がいます(腸内細菌叢)。それらが排泄する毒素を血液中に入る前に吸着して便とともに排泄させる目的で飲んでいただいています。したがって、食べ物が胃を通過して、腸に入り、腸内細菌がそれをえさとして生命活動を行い、産生された老廃物が出てくる頃合いを見計らって、活性炭を飲むことになるので、食後90分か120分頃に飲む必要があります。食後の薬があるようでしたら、こちらは活性炭に吸着されては困りますから、食後30分以内に食後の薬を飲んで、さらに90分の間隔を開けて活性炭を服用しましょう。 一方で風邪の漢方薬ですが、多くの漢方薬は食前または食間に飲むことになっています。活性炭と同時にもしくはさほど間隔を開けずに服用すると、活性炭が漢方薬の成分を吸着してしまうことになりますので、十分な間隔をあけましょう。もしも、食前の薬を飲んでいないようなら、あるいは、飲んでいても漢方薬との相性に差し支えのない薬であるならば、耳鼻咽喉科の医師にその旨を伝え、食前に服用するよう変更するのも解決方法の一つになります。 | |||||
A 大きく二つの意味があります。一つには薬の効果そのものに関することです。薬が効きすぎたり、効き目が弱かったりすると困ることがあります。例えば、血圧を下げる薬の効き目が強すぎて血圧が下がりすぎたら困ります。糖尿病の薬が効きすぎて低血糖症状が出ても困ります。便秘の薬が効かなくて、何日も便通がないままでも困ります。こういった場合、薬の種類や、分量を考えてみる必要があります。低血糖症状が頻発するなどの緊急な場合にはすぐにご相談ください。あるいは、次の受診日を待って相談したのでもよいこともありますので、まずはご相談ください。
A 口から飲んだ薬は消化管で吸収され、門脈を通って肝臓に行きます。肝臓から血液の流れに乗って全身に回ります。全身を一巡りした薬はもう一度肝臓にもどって、再度、全身に送り出されます。この時、目的の場所で目的の仕事をし、肝臓で化学的な変化を受けて、尿や便に排泄されます。化学的な変化を受けることで、薬は有益な作用も有害な作用もほぼなくなります。これを代謝といいます。代謝を受けても匂いや色が残っていることがあります。これがおっしゃるおしっこの匂いや色です。また薬によっては、一部が変化を受けないままに排泄されることがあります。腎臓が元気な人の場合はこの時の負担を受けとめる力がありますが、腎臓の機能が極端に低下している人には、それが無理な場合もあります。現実の薬の服用においては、そのことを考慮に入れた薬の選択が行われていますから、安心して飲んでいただけます。
服用した薬は、身体の中で上記のような行動を取りますので、血液の中の薬の分量は飲んですぐいきなり満タンになり、いきなり空になるというものではなく図に示すような血中濃度曲線を描きます。薬によって曲線の形やタイムスケールは全く異なりますが、基本的には同じようなものだと考えても大丈夫です。また注射薬も最初の立ち上がり部分がないだけで後は同じようなものだと思っていただいていいかと思います。濃度があまりに低いといわゆる「毒にも薬にもならない」ことになりますし、濃度が高すぎると「副作用ばかりが懸念される」ことになります。薬としての働きを期待しながら、副作用は起こさないちょうどよい濃度で使っていただくには、定められたとおりに飲んでいただくのが一番です。
ところで、最近の薬の中には飲む段階では薬としての作用はなく、肝臓で一度化学的変化を受けてから薬としての作用を有するようになるものが少なくありません。このような場合は肝臓を悪くしている人には健常な人と違った作用の出方をする懸念があります。腎臓、肝臓は身体の肝心要です。薬を安全に使うという観点からも、常日頃の養生はきちんとしておきたいものです。 | |||||
A 形としては同じことですが、意味は全く異なります。お薬手帳を薬局で薬剤師に見せることの大きな意味はいくつかありますが、その一つに重複投与を防ぐということがあります。過剰摂取を防ぐためにも重要なことです。ところが一つ一つの薬が名前をいっぱい持っていることで、これが少しばかり困難になります。例えば、誰もが一度は耳にしたことがあるアスピリンですがアセチルサリチル酸という名前も持っています。解熱鎮痛薬として使われます。同じもので分量が少なくなるとバイアスピリンという名前に変わります。いわゆる血液さらさらの薬になります。アスピリンを主成分とした配合剤にバファリン配合錠があります。これらは名前も効能も異なりますが同じものです。また化学的にわずかな違いのある薬もいっぱいあります。これを見落として過剰摂取してしまうと、弊害が出てくる場合があり、その都度のチェックが必要です。
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A 西洋薬は病気を治療するものなので、病名を確定し、病名に適応する薬で治療を行います。したがって病名と薬の適応症が一致します。ところが、漢方薬は病気を引き起こしている身体のひずみがどこにあるかを見極めて、このひずみを元に戻すことで病気の治療を行います。同じひずみが人によって病気として顔を覗かすところが別々なので、あれもこれもに効果があるみたいで訳が分からないという声があるのはそういうことです。また表面上は似たような症状に見えても、根本的なひずみの場所は全く異なる場合もあります。ひずみの有り様のことを「証」と呼びます。
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A ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、新薬(先発医薬品)の特許期間を満了し、新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を使った、品質、薬としての効き目、安全性が同等で低価格な薬です。厳しい試験に合格し、厚生労働大臣の承認を受け、国の基準、法律に基づいて製造・販売されています。 なぜ低価格なの?
ジェネリック医薬品の品質・工夫 薬剤師に相談してください | |||||
A いいえ、それだけではありません。薬剤師は薬に関する悩みを患者さんといっしょに考えて解決し、患者さんの生活をより豊かなものにすることを目的としています。
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