学 名 | Artemisia capillaris Thunb. |
科 名 | APG(Angiosperm Phyrogeny Group)分類体系:Asteraceae(キク科) クロンキスト分類体系: Asteraceae(キク科) エングラー分類体系: Compositae(キク科) |
花 期 | 9~11月 |
生 薬 名 | 茵陳蒿(インチンコウ) |
日本産はカワラヨモギを使用する。
ときにオトコヨモギArtemisia japonica Thunb.の花穂が混在するらしいが、日本薬局方第16改正ではカワラヨモギとしている。
薬用部位・効能など
薬用部位 | 効能 | 方剤例 | 備考 |
頭花 | 清熱利湿、退黄疸: 解熱作用、利担作用、抗菌作用、脂質降下作用、降圧作用、消炎性利尿 |
茵陳蒿湯 茵陳五苓散 茵陳散 茵陳四逆湯 |
神農本草経の上品収載 「茵陳」 |
雑談 キク科のヨモギ属は非常に多くの種類がある。全草が悪臭のするクソニンジンArtemisia annua L.も同属植物で、薬用には「帯果、帯花、枝葉」の乾燥したものを使う。生薬名を青蒿(セイコウ)といい、神農本草経の下品に収載されている。用途は解熱薬、止血薬、殺虫薬である。 一方、食材として知られているヨモギ(Artemisia princeps Pampaniniカズザキヨモギ、モチグサ)は、古くから親まれてきた身近な植物で、もぐさの製造原料でもある。葉と枝先が薬用部分で、生薬名を艾葉(ガイヨウ)といい、「名医別録」の中品に収載されている。収斂性止血、鎮痛薬として使われるほか、健胃作用もある。ガイヨウを配合している漢方薬のきゅう帰膠がい湯は、冷え症で、出血過多により、貧血するもの(痔出血、外傷後の内出血、産後出血、貧血)に使用されている。ヨモギを食材にするとき、柔らかい若葉を使用するが、なんせアクが強い。沸騰させて塩ひとつまみをいれた湯にヨモギと重曹を入れて、アク抜きをする。茹でたらすぐに冷水にさらす。 |
オトコヨモギ 撮影場所 吉野川河川敷(新吉野川橋~旧吉野川橋) |
カワラヨモギ 撮影場所 徳島市の小松海水浴場周辺 |
カワラヨモギ 武田薬品工業京都薬用植物園にて Photo K.Yamashita |
資料 | |
1) 原色和漢薬図鑑(上)・(下) | 保育社 |
2) 日本植物名検索(y-list) | |
3) 原色牧野和漢薬草大図鑑 | 北隆館 |
4) 徳島県薬草図鑑 | 徳島新聞社 |
5) 漢薬の臨床応用 | 医歯薬出版 |
6) 植物の同定 | 徳島県立博物館 |