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スポーツ時や夏の猛暑,災害時,日常生活において,水の恩恵の多大なことは言うまでもありません。
厚生労働省は,今年6月に水道情報のページに平成18年版図で見る環境白書を新設しました。これは,子どもから高齢者までもが,健康でいるために水を飲み,熱中症や脳梗塞などの重大な事故から尊い人命を守ることを目的としたもので,具体的には,
といったものです。
1.水分補給は,欠かさない
(3)脱水(症)のタイプ
(4)熱中症とは?
熱中症は,環境温度の上昇で発生する健康障害で,軽症から重症まで様々な病態があります。
◇熱中症予防情報 環境省HP環境保健に関する調査・研究
2.飲料水について
夏場は,台風や雷で停電することがあり,断水に備えて水を汲み置きすることがあります。飲料水については,いざという時のために市販のミネラルウォーターを常備されていることでしょう。
しかし,洗濯や掃除などまでも利用するにはたくさんの水が必要になります。汲み置いた水に異常があれば,検査して原因を調べる必要が出てきます。近くで工事をしていたり災害のあった場合もご注意ください。
(1)飲料水の日常のトラブル
飲料水に着色や沈殿物はありませんか?また,飲料水水道の設備に使用する材料を心配したことはありませんか?
例えば,受水槽の材料は,FRP製,銅板製,ステンレス製,木製などがあります。そのうち,現在最も多く使用されているのはFRP製だそうです。給水管には,鉛管,銅管,硬質塩化ビニル管,ポリエチレン管,鋼管,ステンレス管を使用しています。貯水槽は,防錆と防食を目的に塗装しており,受水槽の内面塗装と外面塗装があります。内面塗装は,飲料水を入れるため特に限定されており,建築物衛生法では日本水道協会規格に適合した塗料を使用することになっています。
(2)飲料水の病原菌汚染水系感染(water-borne infection)
3.飲料水の知っ得情報あれこれ
日本の水道水質基準は,厚生労働省HP水道水質情報に公開しています。
(1)おいしい水の水質基準とは?
(2)日本の名水とは?
日本は,火山国であり火成岩の地層を通過する地下水の滞留時間が短く,ミネラルの少ない軟水が多いのに対して,ヨーロッパの地層は水成岩のため,地下滞留時間が長く,ミネラルを多く含む硬水が多くあります。
軟水と硬水を分けるには硬度を使います。これは,水1L中に含まれるCa+とMg+の合計量を数値化したものです(Ca量×2.5+Mg量×4.1の総和)。国によって表し方が違います。
硬度について世界保健機構(WHO)の飲料水水質ガイドラインでは,次のように分類しています。
硬水と軟水は,それぞれの特徴を生かして使い分けすると便利です。しかし硬水を飲むには,人によって苦味が気になることがあるので,軟水に慣れた日本人では,硬度100~150位から飲み始めるのが良いそうです。ただ気をつけたいのは,ミネラル補給としてバランス良い摂取が肝要で,虚血性心疾患の予防のためには,成人で食事中のCa(600mg/day)とMg(300mg/day)の摂取比率(2:1)が重要とされています。
特徴
(4)いざという時に備えておきたいミネラルウォター
水道管の破損や災害時,そして,運動時などに欠かせないのが,ミネラルウォーターです。ミネラルウォーターは,農林水産省ガイドラインによって,ナチュラルウォーター,ナチュラルミネラルウォーター,ミネラルウォーター,ボトルドウォーターの4種類に分けられています。
ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン 1990年制定 農林水産省店頭で見かけるナチュラルミネラルウォーター
ボトルドウォーターにはどんな種類があるの?
(社) 日本水道協会HP「安全でおいしい水道水推進運動」に,“おいしい水道水ボトルウォーター”を設置しており,全国の水道事業体でつくったボトルドウォーターを紹介しています。
(5)海洋深層水
海洋科学的にはグリーンランド沖の寒い海域で比重の高くなった海水が深層へ沈み,ゆっくりと南下して南大西洋,南極海,インド洋,太平洋へと約2,000年にわたり移動する海域をいいます。産業に利用する上で,つまり市販品として一般には,中深海水の水深200-300m以深の海水を海洋深層水といいます。市販品の中には,水深700m弱の深層水を利用しているものもあります。海洋深層水は,表層海水とは違い太陽光が届かず生物の生産がないため,富栄養性,清浄性,低水温性,水質安定性などの特性があります。
店頭で見かける海洋深層水
文献 | |||
(1) | 治療 安井昌之:水と微量元素:Vol.88 No.7 2006 | 南山堂 | |
(2) | 戸田細菌学 改訂33版 | 南山堂 | |
(3) | 詳解「学校環境衛生の基準」 | (財)日本学校保健会 | |
(4) | 一目でわかる水電解質 著者:飯野靖彦 | (株)メディカル・サイエンス・インターナショナル | |
(5) | 医科生理学展望 原書16版 | 丸善(株) | |
(6) | たしかな目 No.240 2006 | 国民生活センター | |
(7) | 厚生労働省HP(URL: ttp://www.mhlw.go.jp/) | ||
(8) | 環境省HP(URL: ttp://www.env.go.jp/) | ||
(9) | 道薬誌(北海道薬剤師会)2006年12月号 | ||
(10) | ファルマシア 高木邦明“海洋深層水の健康への効用と利用” | 日本薬学会 | |
(11) | 薬局 Vol.58 No.1 2007 | 南山堂 | |
(12) | 最新医学大辞典 第3版 | 医歯薬出版(株) | |
(13) | 今日の治療指針2006年版 | 医学書院 | |
(14) | Yahoo!Japan ショッピングなど商品関連サイト |
近年、冬季を中心にノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が、高齢者施設だけでなく宿泊施設など様々な場所で問題となっています。事態を受けた厚生労働省は、増加する感染性胃腸炎の発生・まん延防止策の徹底事項を各都道府県などへ通知し、同省ホームページには、「ノロウイルス食中毒の予防に関するQ&A」を開設しています。(→参照;参考文献及びリンク)
徳島県内では、2005年にサルモネラ菌やカンピロバクターによる細菌性胃腸炎やロタウイルスによる感染性胃腸炎の他に、ノロウイルスを原因とする感染性胃腸炎が料理店や高齢者施設などで発生しました。今回は、2005年に掲載していたものを少しばかり修正し、ご参考までに消毒剤をご紹介いたします。
ノロウイルスの検出の経緯は、1968年にさかのぼります。
1968年に米国のオハイオ州ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者のふん便からウイルスが検出され、発見された土地の名前を冠してノーウォークウイルスと呼ばれました。
1972年に電子顕微鏡下でその形態が明らかにされ、このウイルスがウイルスの中でも小さく、球形をしていたことから「小型球形ウイルス(SRSV:Small Round Structured Virus)」の一種と考えられました。
その後、非細菌性急性胃腸炎の患者からノーウォークウイルスに似た小型球形ウイルスが次々と発見されたため、一時的にノーウォークウイルスあるいはノーウォーク様ウイルス"Norwalk-like viruses"、あるいはこれらを総称して「小型球形ウイルス」と呼称していました。
ウイルスの遺伝子が詳しく調べられると、非細菌性急性胃腸炎をおこす「小型球形ウイルス」には2種類あり、その殆どは、いままでノーウォーク様ウイルスと呼ばれていたウイルスであることが判明しました。
2002年8月、国際ウイルス学会で正式に「ノロウイルス」と命名され、もうひとつは「サポウイルス」と呼ぶことになりました。
ノロウイルスの電子顕微鏡像 (埼玉県衛生研究所篠原先生撮影) 直径は約38ナノメータです。 |
ノロウイルスは、形態的特徴やゲノムの構造から、ネコカリシウイルスに代表されるベジウイルスに近縁なウイルスであることが明らかにされています。 現在、ノロウイルスに属するウイルスはGenogroup(G)とGenogroup (G)の2つの遺伝子群 に分類され、さらにそれぞれ14種類と17種類の遺伝子型(genotype)に分類されています。 現時点でノロウイルスは、ヒト以外にウイルスの増殖が確認された動物はなく、また、培養細胞を用いても増殖させることができないといわれており、研究が推進されています。 |
ノロウイルスは、非常に感染力が強いウイルスで、少量でも小腸で増殖し、感染性胃腸炎を発症します。乳児から成人に幅広く感染しますが、主に小児で流行する場合もあることが明らかになってきています。
<感染経路>
感染経路はほとんどが経口感染です。しかし、ヒト同士の接触する機会が多い場所では、ウイルスを含んだもの(乾燥した嘔吐物や下痢便のかけら)や粉塵が舞い上がると、居合わせたヒトが吸い込んでしまうとか、何かの方法で口に入り感染することに注意が必要です。
<主な症状>
吐き気,嘔吐,下痢ときに、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛などを伴うこともあります。
通常、これら症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もないとされています。
また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
まれに重症化する例もあり、高齢者や免疫力の低下した乳児では死亡例も報告されています。
<潜伏期間(感染から発症までの時間)>
24~48時間とされています。
しかし、ウイルスは症状が回復した後も10~14日間ほど患者の便中に排出されることがあるため、二次感染に注意が必要です。
<発生時期>
冬季に多いといわれていますが、それ以外の季節でもみられます。
<調理>
食品の中心温度85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされています。
<調理台や調理器具など>
ノロウイルスの失活化には、エタノールや逆性石鹸はあまり効果がありません。
ノロウイルスを完全に失活化する方法には、次亜塩素酸ナトリウムや加熱があります。
(1) 調理器具などは洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。
(2) まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。
<手洗い>
(1) 常に爪を短く切って、指輪等をはずし、石けんを十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗浄します。
(2) すすぎは温水による流水で十分に行います。
(3) 石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。
基本的に・・・
■十分な加熱をする(85度、1分以上)。
(ノロウイルスの失活化の温度と時間については、現時点においてこのウイルスを培養細胞で増やす手法が確立していないため、正確な数値はありませんが、同じようなウイルスから推定すると、食品の中心温度85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされています。)
■塩素系消毒剤で処理する。
吐物や糞便は、乾燥しないうちに速やかに処理する必要があります。
表1.次亜塩素酸ナトリウム溶液の希釈方法についての参考資料
【注意】専門家の指導のもと、薬剤の『使用上の注意』をよく読んでからご使用くださいませ。
<表1 次亜塩素酸ナトリウム溶液の希釈方法>
<表2 消毒剤の使用一覧表>
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消毒対象物 | 消毒剤 | 対象微生物 | |||||||||||||||||||
環境 | 器具 | 人体 | 血液・体液・排泄物などの有機物 | 一般細菌 | MRSA | 緑膿菌やセパシアなど | 結核菌 | 芽胞 | 真菌 | ウイルス | |||||||||||
床・壁・病室など
|
ドアノブ・手摺など | 金属器具 | 非金属器具 | 手指 | 皮膚 | 創傷部位 | 粘膜 | 糸状真菌 | 酵母真菌 | 中間サイズ ※注1 | 小型サイズ ※注2 | HIV | HBV・HCV※注3 | ||||||||
× | × | 〇 | 〇 | × | × | × | × | × | アルデヒド系 | グルタラール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
△ | △ | △ | △ | × | × | × | × | × | ホルマリン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
△ | △ | △ | △ | △ | △ | △ | △ | △ | 塩素系 | 次亜塩素酸ナトリウム | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
× | ☆ | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × | × | × | アルコール系 | エタノール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × |
× | ☆ | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × | × | × | イソプロパノール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | |
× | ☆ | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × | × | × |
エタノール・ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × | |
× | × | × | × | 〇 | × | × | × | × | 第4アンモニウム塩系 | ウエルパス®(配合剤) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 塩化ベンザルコニウム 塩化ベンゼトニウム |
〇 | △ | △ | × | × | △ | 〇 | △ | × | × | × | |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | ビグアナイド系 | グルコン酸クロルヘキシジン | 〇 | △ | △ | × | × | △ | 〇 | △ | × | × | × |
× | × | × | × | × | 〇 | 〇 | △ | × | ヨウ素系 | ヨードチンキ・希ヨードチンキ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
× | × | × | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | ポビドンヨード | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | |
△ | △ | △ | △ | △ | △ | × | × | 〇 | フェノール系 | フェノール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | △ | 〇 | △ | × | × | × |
△ | △ | △ | △ | △ | △ | × | △ | 〇 | クレゾール石ケン液 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | △ | 〇 | △ | × | × | × | |
× | × | × | × | × | × | 〇 | 〇 | × | 色素系 | アクリノール | 〇 | △ | △ | × | × | × | 〇 | × | × | × | × |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 | 〇 | × | 両性界面活性剤系 | 塩酸アルキルジアミノ エチルグリシン |
〇 | △ | △ | △ | × | △ | 〇 | △ | × | × | × |
× | × | 〇 | 〇 | × | × | × | × | × | 酵素系洗浄剤 |
蛋白分解酵素洗浄剤 |
- | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
〇 ・・・ 使用可 |
〇 ・・・ 有効 |
||||||||||||||||||||
【ウイルスについて】 ―丸石製薬資料「殺菌(滅菌・消毒)概要」より,一部改変― 使用方法などについては、医師、歯科医師、薬剤師にご相談ください。 |
食中毒の原因微生物には、表2に示すように国が指定する16種類の食中毒原因菌と類感染症(感染症新法で規定されているもの)の細菌性赤痢、コレラ、腸チフス・パラチフス、さらにウイルスのロタウイルスと小型球形ウイルスがあります。
食中毒菌は発症機構によって、感染侵入型、感染毒素型、生体外毒素型の3つに分類できます。
前2者は、細菌みずからが体内に入って食中毒を起こすもので、「感染型」と総称され、後者は、細菌の毒素によって食中毒を起こすもので、「毒素型」と総称されます。「感染型」の臨床症状は、発熱、腹痛、嘔吐、下痢などですが、「毒素型」のボツリヌス菌は複視、発語障害、呼吸障害などの神経症状がみられます。
また、腸管出血性大腸菌感染症では、溶血性尿毒症症候群と脳症には注意が必要です。
これらの病原体の発症機構、潜伏期、主な分布と感染源について表2に示しました。
<表3 食中毒の原因微生物>
食中毒の原因微生 | 発症機構 | 主な分布 | 潜伏期 | 主な感染源 |
黄色ブドウ球菌 | A | ヒト鼻咽喉 | 3時間 | 食品全般 |
ボツリヌス菌 | A | 土壌 | 10~40時間 | 嫌気性食品(瓶,缶詰) |
腸炎ビブリオ | B | 海産魚介類 | 5~20時間 | 海産魚介類 |
サルモネラ | C | 動物・人(腸管) | 10~72時間 | 卵,肉 |
セレウス菌 | B | 土壌 | 5~24時間 | 肉,乳製品 |
ウエルシュ菌 | B | 土壌,動物・人(腸管) | 8~24時間 | 肉 |
下痢原性大腸菌 | 12~48時間 | |||
腸管侵入性大腸菌(EIEC) | C | 動物・人(腸管) | 12~72時間 | 食品,飲料水 |
(腸管)毒素原性大腸菌 | B | 動物・人(腸管) | 12~24時間 | 食品,飲料水 |
腸管病原性大腸菌 | B | 動物・人(腸管) | 2~9日 | 食品,飲料水 |
腸管出血性大腸菌(O157など) | B | 動物・人(腸管) | 不明 | 食品,飲料水 |
腸管凝集付着性大腸菌 | B | 動物・人(腸管) | 12~24時間 | 肉,飲料水 |
エロモナス・ヒドロフィラ | B | 河川,淡水魚介類 | 12~24時間 | 河川,淡水魚介類 |
エロモナス・ソブリア | B | 河川,淡水魚介類 | 2~7日 | 河川,淡水魚介類 |
カンピロバクター・コリ | B | 動物・人(腸管) | 2~7日 | 鶏肉,飲料水 |
カンピロバクター・ジェジュニ | B | 動物・人(腸管) | 12~24時間 | 鶏肉,飲料水,生牛乳 |
プレシオモナス・シゲロイデス | B | 河川,淡水魚介類 | 5~24時間 | 河川,淡水魚介類 |
ナグビブリオ | B | 海産魚介類 | 5~24時間 | 海水,海産魚介類 |
ビブリオ・フルビアーリス | B | 海産魚介類 | 5~24時間 | 海水,海産魚介類 |
ビブリオ・ミミカス | B | 海産魚介類 | 2~5日 | 海水,海産魚介類 |
エルシニア・エンテロコリチカ | C | 動物・人(腸管) | 1~7日 | 豚肉,ペット動物 |
細菌性赤痢 | C | 人(の腸管)・水系 | 1~3日 | サラダ,飲料水 |
コレラ | B | 河川,淡水魚介類 | 7~14日 | 河川,淡水魚介類,貝類 |
腸チフス・パラチフス | 人(腸管) | 24~48時間 | 飲料水,肉,患者便 | |
小型球形ウイルス(SRSV) | 5~24時間 | かき | ||
ロタウイルス | 12~48時間 | 患者便 |
SRSV:Small Round Structured Virus
A:毒素型(生体外毒素型) B:感染毒素型(生体内毒素型) C:感染侵入型
病院感染対策ガイドライン 編集:国立大学医学部付属病院感染対策協議会 じほう p.171~172より
カキは栄養源 文献(8)
カキは、『海のミルク』とも言われ、栄養素としては、鉄、銅、亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。アミノ酸も含み、グルタミン酸やグリシン、アラニン、プロリンなどがカキの旨みを形成し、これにグリコーゲンが加わることでまろやかさが生まれるとか。カキは、産卵後にグリコーゲンの蓄積量が増え、それが秋から冬場のことらしい。
参考文献及びリンク
(1) 厚生労働省ホームページ「ノロウイルス食中毒の予防に関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/12/h1208-1.html
(2) 国立感染症研究所感染症情報センター「病原微生物検出情報(月報):IASR」
http://idsc.nih.go.jp/iasr/24/286/inx286-j.html
感染症発生動向調査週報:「IDWR:感染症の話」
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_11/k04_11.html
(3) 徳島県歯科医師会会報「徳歯会報 NO.710~717」
(4) 丸石製薬資料「殺菌消毒剤使用の手引き」
丸石製薬ホームページhttp://www.maruishi-pharm.co.jp/
(5) 病院感染対策ガイドライン 編集:国立大学医学部付属病院感染対策協議会
平成16年1月発行 じほう
(6) 徳島新聞 2005年1月12日,2005年1月14日
(7) 徳島県ホームページ
http://www.pref.tokushima.jp/
(8) 日経ドラッグインフォメーション第62号2002年
サイトのご案内
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/index.html
国立感染症研究所 http://www.nih.go.jp/niid/index.html
日本食品衛生協会 http://www.n-shokuei.jp/index.html
尿路結石は,腎臓,尿管,膀胱,尿道などの尿路に存在する結石です。結石が存在する場所によって,腎結石,腎盂結石,尿管結石,膀胱結石,尿道結石などと呼ばれます。尿路結石症の治療は,結石を除去するだけでは不十分であり,その成分に対応した薬物療法や特に再発予防が必要です。
尿路結石症の原因には,副甲状腺疾患や痛風などを患い二次的に結石が形成される場合や,長期臥床の他に,食事の影響が指摘されており,日常生活での嗜好品や偏った食事(カルシウム,肉類,シュウ酸,ビタミンC,ビタミンDなどの過剰摂取)をしていないか今一度ご確認くださいませ。
サイドメモ
尿路結石の成分を分析することは,結石発生の原因究明と再発予防のために重要です。しかし,尿路結石の成分分析が不明な場合は,それまでの画像診断,血液・尿検査や問診などにより,結石成分を推定することによって精査が進められるようです。まったく推定不可能な場合は,シュウ酸カルシウム結石と同様に取り扱うことがあります。また,カルシウム含有結石と非カルシウム結石の成分が混合する場合は,多くは非カルシウム結石として取り扱われています。
代表的な尿路結石の成分と推定される病態と疾患を『表1』に示しました。
結石成分 | 推定される病態や疾患 | |
シュウ酸塩 | シュウ酸カルシウム | 高カルシウム尿(症),高シュウ酸尿(症),高尿酸尿,低クエン酸尿 |
リン酸塩 | リン酸カルシウ | 高カルシウム尿(症),低クエン酸尿,腎尿細管性アシドーシス,上皮小体(副甲状腺)機能亢進症 |
リン酸マグネシウムアンモニウム,カーボネートアパタイト | 尿路感染症 | |
プリン体 | 尿酸 | 高尿酸血症,高尿酸尿,痛風,尿酸排泄剤の使用 |
2,8-デヒドロキシアデニン | adenine phosphoribosyltransferase欠損症 | |
その他 | シスチン | シスチン尿症(シスチン,リジン,アルギニン,オルニチンの4種類のアミノ酸が大量に尿中に排泄されます。) |
尿路結石症の検査は,尿検査,腎尿管膀胱部単純X線撮影(KUB),腹部超音波断層法,末梢血液検査,CRP(炎症反応),血液生化学(クレアチニン,尿酸,カルシウム,リン)検査などが行われます。家族歴や病歴,薬歴を主治医に伝えることも忘れてはなりません。
尿路結石症の症状には,疼痛の他に発熱や血尿,排尿障害も伴うことがあります。治療は一般に,結石破砕術や手術などの外科的方法と排石を待つ方法があります。5mm以下の小さい結石であれば,自然排石が期待できますが定期的な通院と水分の摂取が必要です。薬で治療を受ける場合も,水分の補給とバランスのよい食生活が必要です。下記『表2』及び『表3』に尿路結石症に使用されている治療薬を示しました。
商品名 | 成分名 | 効能・効果 | |
排 石 薬 |
ウロカルン®錠225mg | ウラジロガシエキス |
腎や尿管にできた結石の発育抑制作用と溶解作用があります。 |
猪苓湯エキス細粒 | 猪苓湯 | 尿量が減少し,尿が出にくく,排尿痛あるいは残尿感のある症状に使われます。 | |
ラシックス® | フロセミド | 尿を出して尿管の結石を外に出します。 | |
イソバイド® | イソソルビド内用液剤 | 腎や尿管に結石があるとき、尿量を増やし、結石を尿と一緒に体の外に出します。 | |
鎮 痙 薬 |
セスデン® | 臭化チメピジウム | 尿路の通路を広げて、結石を排出しやすくし痛みをやわらげます。(抗コリン薬) |
チアトン® | 臭化チキジウム | ||
スパスメックス®錠 | 塩化トロスピウム | ||
ブスコパン® | 臭化ブチルスコポラミン | ||
コスパノン®錠 | フロプロピオン | ||
芍薬甘草湯エキス細粒 | 芍薬甘草湯 |
腎臓・膀胱結石の痙攣痛をやわらげます。 |
|
そ |
ロワチン® | α,β-ピネン,ボルネオール,アネトール,d-カンフェン,シネオール,フェンコン |
尿路結石の生成を防止したり,排石する作用があります。また,炎症・疼痛の緩解作用もあります。 |
商品例 | 成分名 | 使用目的例 | 注意点 | 備考 |
ウラリット®錠 |
クエン酸製剤 |
・尿酸結石 |
尿pHの過度の上昇(7.5以上)に注意が必要です。 | ・クエン酸製剤は,尿アルカリ化剤ですので,酸性尿を改善します。 |
ザイロリック®錠 |
アロプリノール |
・高尿酸血症や高尿酸尿を伴う尿酸結石患者 |
定期的に血清尿酸値を測定し,投与量が検討されます。 |
・アロプリノールは,尿酸の生合成に関係するキサンチンオキシダーゼという酵素を阻害して,血液中の尿酸値と尿中尿酸値を低下させます。 |
チオラ®錠 | チオプロニン | ・シスチン尿症におけるシスチン結石の発生予防および溶解 | 十分な飲水指導により尿中シスチン濃度を250mg/ L 以下に保つことや適正な尿アルカリ化に留意します。 |
・シスチンは,特に酸性尿では,尿中での溶解度が低いため,容易に結晶化します。 |
フルイトラン®錠 |
サイアザイド系利尿薬 | ・高カルシウム尿(症)を伴うカルシウム含有結石 | 低血圧,カリウムなどの電解質異常に留意します。 | ・利尿薬を少量使用することで体液量が減少し,腎尿細管でのカルシウム再吸収が高まり,尿中カルシウム排泄が20~30%減少するといわれています。 |
マグラックス®錠 |
マグネシウム製剤 | ・シュウ酸カルシウム結石の発生予防 | テトラサイクリン系・ニューキノロン系抗菌薬と同時に服用すると,これらの抗菌薬の吸収を阻害します |
・腸管から吸収されたマグネシウムは,腎臓から尿中に排泄され,シュウ酸カルシウムと結合し可溶性物質を形成することで,その排泄を促進すると考えられています。 |
アルミゲル®細粒 | 乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒 | ・尿中リン排泄増加に伴う尿路結石の発生予防 |
腎機能低下者の長期投与に注意 |
・アルミニウムは消化管内でリン酸塩と結合し,リン酸塩の吸収を阻害します。→ アルミニウムは,消化管内でリン酸アルミニウムになり,尿中ではなく糞便中へ排泄されます。 |
尿路結石症の患者様が使用している内服薬の情報は重要であり,特に長期間に服用している薬が原因と疑われる場合は,薬の減量,中止,あるいは代替薬について検討する必要があります。下記『表4』に尿路結石形成に注意されたい薬を示しています。
一般名 |
適応症 | 作用例 | 結石の種類 | 備考 |
アセタゾラミド |
緑内障,浮腫,メニエル病,睡眠時無呼吸症候群,てんかんなど | 炭酸脱水酵素の抑制により利用効果を発揮します。 | リン酸カルシウム結石 | アセタゾラミドは,尿pHと尿中カルシウム,リン排泄を増加させて,リン酸カルシウム結石を形成することがあります。 |
グルココルチコイド |
リウマチ疾患,膠原病,副腎不全,ネフローゼなど | 抗炎症,抗免疫作用など | カルシウム含有結石 | グルココルチコイドや活性型ビタミンD3製剤は,尿中へのカルシウム排泄を増加させ,カルシウム含有結石を形成する可能性があります。これらに併用されるカルシウム製剤にも注意が必要です。 |
活性型ビタミンD3 |
骨粗鬆症など |
腸管でカルシウムの吸収を増加させたり,腎臓でカルシウムの再吸収を促進することにより、血液中のカルシウム値を上昇させます。 |
カルシウム含有結石 | |
カルシウム製剤 |
カルシウム欠乏症など | カルシウム補給 | カルシウム含有結石 | |
プロベネシド |
痛風,高尿酸血症 | 尿酸排泄促進 | 尿酸結石 | 尿酸排泄促進薬によって,高濃度で尿酸が尿中に排泄されると,プリン体の摂取制限や尿pHのコントロールが不十分だと尿酸結石が形成されやすくなります。 |
ケイ酸アルミン酸マグネシウム |
胃炎,胃潰瘍,十二指腸潰瘍 | 制酸,抗潰瘍作用 | ケイ酸結石 | 薬の直接の代謝産物が結石に関与する例として,制酸剤として用いられるケイ酸アルミン酸マグネシウムの長期投与ではケイ酸結石のできる可能性があります。 |
インジナビル |
HIV感染症 | HIVプロテアーゼ阻害作用 | インジナビル結石 | 薬の直接の代謝産物が結石に関与する例として,抗HIV薬のひとつでHIVプロテアーゼ阻害剤のインジナビルではインジナビル結石が形成されることがあります。 |
1.水分を補給しましょう
どうして?
2.バランスのとれた食事を心がけましょう
気をつけたい栄養バランス
栄養素 | 参考メモ |
蛋白質 |
・尿路結石発生の原因のひとつとして,動物性蛋白質の過剰摂取が指摘されています。 |
カルシウム | ・古くから,カルシウムの摂取を制限するとカルシウム結石形成の危険性が低下すると考えられてきましたが,カルシウムを制限し過ぎると,本来,腸管内でカルシウムと結合し糞便中に排泄されていたシュウ酸が,腸管から過剰に吸収されることになり,尿中でのシュウ酸排泄量が増えてしまい,シュウ酸カルシウム結石形成の危険性が増えると考えられています。 |
シュウ酸 |
・尿中のシュウ酸が増えると,カルシウム結石を発生させやすくするため,カルシウムよりも重要視されています。 |
塩分 |
・ナトリウムを取り過ぎると,尿中のカルシウム排泄量が増加し,尿酸ナトリウム塩ができ易くなります。 |
炭水化 |
・主に穀物のような炭水化物には,マグネシウムや食物繊維がたくさん含まれています。 |
脂肪 |
・脂肪の過剰摂取は,生活習慣病の原因になりますし,尿路結石患者様は脂肪摂取量が多いといわれています。 |
クエン酸 |
・クエン酸は,尿中のカルシウムがシュウ酸やリン酸と結合するのを阻害し,結石形成を阻止すると考えられています。クエン酸は,尿中でカルシウムと結合しても可溶性物質ですので,そのまま排泄されます。 |
3.不規則な生活や偏食は避けましょう
結石は夜作られるというのも過言ではありません・・・
■朝昼夕3度の食事のバランスをとる → 朝食欠食や夕食過食を直しましょう
どうして?
●日本での尿路結石症の患者様の食生活の多くが,1日必要栄養素の半分近くを夕食で摂取する夕食中心型といわれています。特に夕食時に動物性蛋白質を多く摂取してしまう,夕食中心の食生活は,就寝後の尿中への結石形成促進物質の過剰排泄につながります。
■夕食から就寝までの間隔をあけましょう → 4時間程度の間隔が理想的です
どうして?
●一般に,就寝中は体内に水分が補給されずに尿が濃縮されます。食後は,結石関連物質の尿中排泄が,約2~4時間後でピークになり,その後減っていきますので,食事の時間が就寝時間に近いと,結石ができやすくなります。
まずは,専門家(医師,薬剤師など)にご相談下さい。
文献 | ||
(1) | 尿路結石症診療ガイドライン2002年版 | 金原出版(株) |
(2) | 財団法人 日本医薬情報センター データベース | |
(3) | NHKきょうの健康 第208号 2005年7月号 | 日本放送出版協会 |
(4) | 治療 Vol.86 3月増刊号 2004年 | 南山堂 |
(5) | 治療 Vol.83 No.3 200 | 南山堂 |
(6) | 今日の治療指針 2006年版 | 医学書院 |
(7) | 最新 医学大辞典 第3版 | 医歯薬出版(株) |
薬局の店頭でしばしば遭遇する症状に耳鳴があります。厚生労働省の平成13年度国民生活基礎調査健康票では、何らかの気になる症状を持つものは40,552,000人で、このうち501,000人が気になる症状として耳鳴を上げています。一時的な耳鳴は、誰にでも起こり得ますが、長く続く耳鳴は不快なものです。精神的なストレスになれば悪循環でしょう。耳鳴は、何かの病気に随伴して起こる症状の一つといわれています。生活に支障がないようにコントロールするためには、原因となる病気を治療したり原因物質を究明し除去することが必要です。
耳鳴は、周囲に音源が無いにもかかわらず耳の中や頭蓋の中で音を感じる状態です。耳鳴の発生機序はまだ解明に至っていません。自覚的耳鳴と他覚的耳鳴に分けられます。
自覚的耳鳴 | ・・・ | 聴覚系の何らかの異常に随伴することが知られています。耳鳴を訴える人の約8割に難聴が認められ、難聴のある人の半数以上は耳鳴を自覚していないという報告があります。 |
他覚的耳鳴 | ・・・ | 他の人が聞いても耳鳴の音を聴くことができるものです。顎関節に起因するものなど、体内のどこかに雑音を発生させる原因があります。 |
疾患部位 | 病名 |
外耳道 | 外耳道炎,耳垢栓塞,異物,外耳道真菌症 |
中耳 | 中耳炎,耳硬化症,耳管狭窄 |
内耳 | 薬剤性内耳障害,メニエール病,突発性難聴,老人性難聴,内耳炎,梅毒,外リンパ瘻 |
聴覚路障害 | 髄膜炎,聴神経炎,脳梗塞,聴神経腫瘍 |
その他 | 妊娠,ストレス,心身症,顎関節症,うつ病 |
各項目について | |
「よくある」 ・・・・・ | 2点 |
「たまにある」 ・・・ | 1点 |
「ない」 ・・・・・・・・ | 0点 |
点数の合計が25点以上の場合は苦痛度が高いと考えられています。 |
項目 | 点数 | |
1 | 耳鳴のために物事に集中できない | |
2 | 耳鳴の音が大きくて人の話が聞き取れない | |
3 | 耳鳴に対して腹が立つ | |
4 | 耳鳴のために混乱してしまう | |
5 | 耳鳴のために絶望的な気持ちになる | |
6 | 耳鳴について多くの不満を訴えてしまう | |
7 | 夜眠るときに耳鳴が妨げになる | |
8 | 耳鳴から逃れられないかのように感じる | |
9 | あなたの社会的活動が耳鳴により妨げられている<br/ >(例;外食をする,映画鑑賞) | |
10 | 耳鳴のために挫折を感じる | |
11 | 耳鳴のために自分がひどい病気であるように感じる | |
12 | 耳鳴があるために日々の生活を楽しめない | |
13 | 耳鳴が職場や家庭での仕事の妨げになる | |
14 | 耳鳴のためにイライラする | |
15 | 耳鳴のために読書ができない | |
16 | 耳鳴のために気が動転する | |
17 | 耳鳴のために家族や友人との関係にストレスを感じる | |
18 | 耳鳴から意識をそらすのは難しいと感じる | |
19 | 自分ひとりで耳鳴を管理していくのは難しいと感じる | |
20 | 耳鳴のために疲れを感じる | |
21 | 耳鳴のために落ち込んでしまう | |
22 | 耳鳴のために体のことが心配になる | |
23 | 耳鳴とこれ以上つきあっていけないと感じる | |
24 | ストレスがあると耳鳴がひどくなる | |
25 | 耳鳴のために不安な気持ちになる |
(神崎仁;3人のカルテから病気別・上手な治療の受け方 耳鳴り:きょうの健康No.195 2004 p127より)
How to 検査項目
聴力検査 |
原因疾患の治療 | 外耳・中耳の炎症 | 抗生物質の使用 | |
内耳障害 | 突発性難聴,急性音響外傷,騒音性難聴,内耳炎など |
副腎皮質ホルモン剤,血流改善薬,神経賦活薬,ビタミン薬(例:ニコチン酸,ビタミンB12)など |
|
メニエール病 | 低浸透圧利尿剤 | ||
その他 | 精神科的治療 | 抗うつ薬,抗不安薬,睡眠薬 | |
漢方薬 |
牛車腎気丸,桂枝加竜骨牡蛎湯,香蘇散,大柴胡湯,苓桂朮甘湯,三黄瀉心湯,釣藤散,半夏厚朴湯など |
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手術による原因療法 |
慢性中耳炎(鼓室形成術),耳硬化症(アブミ骨手術),外リンパ瘻(内耳窓閉鎖術),メニエール病(内リンパ嚢開放術) |
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耳鳴の抑制療法 | 薬物療法 | 全身的 | 抗不安薬,抗うつ薬,抗痙攣薬,筋弛緩薬,1%キシロカイン |
局所的 | 内耳麻酔,星状神経節ブロック,大後頭神経ブロック | ||
物理的刺激による治療 |
自然環境音聴取,ラジオ・テレビ聴取,音楽聴取,マスカー療法,補聴器,岬角電気刺激など |
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心理療法 |
バイオフィードバック,自立訓練,集団心理療法,カウンセリング,TRT(tinnitus retraining therapy)など |
耳のしくみ
堺 章:聴覚・平衡感覚,目でみるからだのメカニズム 2000年新訂より
脳から出る末梢神経というものは12対存在し、それぞれ嗅神経、視神経、動眼神経、迷走神経・・・などと呼ばれており、脳から直接頭や首のさまざまな部位へ伸びています。この中で内耳神経と呼ばれ聴覚・平衡感覚を支配しているものが第8脳神経です。
お薬による聴覚障害は、主に内耳を障害することで起こるとされています。一般的には第8脳神経障害と呼ばれていますが、神経よりも内耳障害が中心です。平衡感覚を保持する前庭や骨半規管、聴覚の受容器である蝸牛に対する障害が起こります。その部位にある聴覚細胞の変性や脱落、消失などによって起こる場合、蝸牛のリンパ液の分泌や組成に影響する場合が多いといわれています。
特に難聴についていえば、蝸牛の聴覚細胞が障害を受けますと、まず蝸牛の入り口の細胞から障害を受けます。蝸牛の入り口には高音部の振動を感知している聴覚細胞があるため、高音部の難聴が起こってきます。これは、普通の会話では気づきにくい音です。この他、蝸牛リンパ液の組成が変化し、電位が低下して難聴を起こすことがあります。お薬によっては、服用中に発症する場合と、治療終了後に発症する場合があります。軽症で早期に発見することがポイントです。
聴覚障害で患者さんの訴える症状の例
前庭・骨半規管障害 | 蝸牛障害 |
・体を動かすとめまいがする |
・高い音が聞き取りにくい |
薬効分類 | お薬 |
抗生物質製剤 |
塩酸バンコマイシン,アミノグリコシド系,マクロライド系 |
キサンチン系製剤 |
アミノフィリン,安息香酸ナトリウムカフェイン,カフェイン |
解熱消炎鎮痛薬 |
サリチル酸製剤(アスピリン,エテンザミド),ロルノキシカム,プロピオン酸系(フルルビプロフェン,プラノプロフェン,オキサプロジン) |
ループ利尿薬 |
フロセミド |
α1,β-遮断薬 |
塩酸アモスラロール |
AT1受容体拮抗薬 |
テルミサルタン |
骨粗鬆症治療薬 |
活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール) |
催眠鎮静・抗不安薬 |
フルニトラゼパム |
精神神経治療薬 |
塩酸チアプリド,マレイン酸フルボキサミン,塩酸ミルナシプラン,クロチアゼパム |
抗パーキンソン剤 |
レボドパ,メシル酸ブロモクリプチン |
抗ヒスタミン剤 |
マレイン酸クロルフェニラミン,塩酸プロメタジン,ロラタジン |
免疫抑制薬 | シクロスポリン |
抗悪性腫瘍薬 |
塩酸ゲムシタビン,シスプラチン,インターロイキン-2製剤 |
C型肝炎治療薬 | インターフェロン製剤,リバビリン |
非イオン性造影剤 | イオベルソール |
抗原虫薬 | 塩酸キニーネ |
局所麻酔薬 | 塩酸ロピバカイン |
子宮内膜症治療薬 | 酢酸ナファレリン |
お心当たりのある方は,専門家(医師,歯科医師,薬剤師など)にご相談下さい。
文献 | ||
(1) | 日本医薬情報センター(JAPIC)データベース | |
(2) | 医薬ジャーナル Vol.35 No.2 1999 | 医薬ジャーナル社 |
(3) | 月刊 薬事 Vol.42 No.3 2000 | (株)じほう |
(4) | 治療 Vol.86 No.2 2004 | 南山堂 |
(5) | 分担解剖学 第2巻 平成6年2月発行 | 金原出版株式会社 |
(6) | きょうの健康 No.195 2004 | 日本放送出版協会 |
(7) | 今日の検査指針 1987年発行 | 医学書院 |
(8) | 聴覚・平衡感覚,目でみるからだのメカニズム監修 堺章 2000年新訂 | 医学書院 |
横紋筋融解症は,筋肉をつくっている骨格筋細胞に融解や壊死が起こり,筋肉の成分が血液中に流出してしまう病気です。
その際,ミオグロビンが大量に流出し,腎臓に負担がかかる結果,尿が出にくくなるなどの腎障害を起こしてしまうことがあります。
ミオグロビンは,主に心筋や骨格筋に含まれているヘム蛋白質のひとつで,筋肉組織内に血液中の酸素を運ぶ働きを持っています。
横紋筋融解症の原因には,圧挫症候群や痙攣などによって筋肉に強い衝撃が加わって発症する場合や,熱射病,薬物,代謝異常などがあります。
その他,心筋疾患,甲状腺機能低下症なども血中ミオグロビン値を上げる原因ともなります。
症状・処方薬にご心配のある方は,かかりつけの医師もしくは薬剤師にご相談ください。
〔参考〕
独立行政法人医薬品医療機器総合機構 https://www.pmda.go.jp/
重篤副作用疾患別対応マニュアル(患者・一般の方向け)
検査項目 | 参考のための基準値(検査方法) |
AST(GOT) | 10~40 IU/L(UV) |
ALT(GPT) | 5~45 IU/L(UV) |
ALP | 110~330 IU/L(JSCC) |
LDH(乳酸脱水素酵素) | 120~240 IU/L(UV,乳酸基質) |
CK (CPK) | (男性)57~197 IU/L(UV) |
(女性)32~180 IU/L(UV) | |
ミオグロビン | (血清)60ng/mL以下 |
(尿)10ng/mL以下 |
薬物カテゴリー | 医薬品例(添付文書「副作用」に記載のあるもの) | |
脂質異常症 治療薬 |
HMG-CoA還元酵素阻害剤 | アトルバスタチンカルシウム水和物,フルバスタチンナトリウム,プラバスタチンナトリウム,シンバスタチン,ピタバスタチンカルシウム |
フィブラート系薬剤 | クリノフィブラート,フェノフィブラート,ベザフィブラート,クロフィブラート,クロフィブラートアルミニウム | |
その他 | プロブコール,コレスチミド | |
抗生物質製剤 | ニューキノロン系抗菌薬 | オフロキサシン,塩酸ロメフロキサシン,ガチフロキサシン水和物,プルリフロキサシン,スパルフロキサシン,ノルフロキサシン,トシル酸トスフロキサシン,メシル酸パズフロキサシン,エノキサシン,フレロキサシン,シプロフロキサシン,レボフロキサシン |
マクロライド系抗生物質 | クラリスロマイシン | |
β-ラクタム系抗生物質 | ピペラシリンナトリウム,塩酸セフカペンピボキシル,ファロペネムナトリウム,タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム | |
神経系に作用する薬 | ブロムペリドール,ハロペリドール,デカン酸ハロペリドール,リスペリドン,塩酸ペロスピロン水和物 | |
抗うつ薬 | 塩酸クロミプラミン,塩酸マプロチリン | |
躁病・躁状態治療薬 | 炭酸リチウム,バルプロ酸ナトリウム | |
ベンゾジアゼピン系睡眠薬 | フルニトラゼパム | |
キサンチン系気管支拡張薬 | テオフィリン,アミノフィリン,コリンテオフィリン,プロキシフィリン,ジプロフィリン | |
解熱消炎鎮痛薬 | ジクロフェナクナトリウム | |
免疫抑制薬 | シクロスポリン | |
痛風・高尿酸血症治療剤 | アロプリノール,コルヒチン | |
上記以外に,消化性潰瘍治療薬,総合感冒薬,高血圧治療薬,骨格筋弛緩薬,抗真菌薬などがあります。 |
お心当たりのある方は,専門家(医師,歯科医師,薬剤師など)にご相談下さい。
参考文献 | ||
(1) | 日本薬剤師会雑誌 日薬医薬品情報 Vol.7 No.6 2004 | 日本薬剤師会 |
(2) | 重大な副作用回避のための服薬指導情報集 No.1 | 薬業時報社 |
(3) | 月刊薬事 Vol.40 No.4 1998 | 薬業時報社 |
(4) | 日本医薬品集DB 2004年4月版 | 日本医薬情報センターじほう |