薬は、ヒトの病気を治したり、目的の症状を改善するためにあります。ヒトの命や健康に直接関係するため、法律でいろいろな規制を受けています。薬の効果や安全性などは、薬をつくる製薬会社はもちろん、病院のような医療機関などでも確かめられます。こうした薬のうち、医療用医薬品は、いわば個人へのオーダーメイド。病気やケガの治療の他、予防や診断用のものもあります。特別な場合を除いて、医師や歯科医師が診察し、薬が必要となると、処方せんとして出るのです。ですから、処方薬とも言います。処方せんは、医療機関内で薬をもらうための院内処方せんと、保険薬局でもらうための院外処方せんがあります(薬店は調剤をしません)。保険薬局(調剤薬局)では保険薬剤師が調剤します。いずれも、薬をもらう時は医師や歯科医師、薬剤師に、
1 | 薬の名前 |
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2 | 薬の効果 | |
3 | のみかた | |
4 | 気をつける症状(副作用) | |
5 | のみ忘れや間違って多くのんだ時 | |
6 | 他の薬や飲食物とのんでも大丈夫か | |
7 | いつまでのむ予定か |
・・・、といったことをきいてメモしておきましょう。
ところで、高血圧や糖尿病など慢性の病気は長く通院するのがほとんどです。中には、薬をのんでいて具合が良くなり、治ったと勘違いしてやめてしまう人が・・・。これは薬が効いているので良い状態なのです。薬は、医師や歯科医師の判断で止める止めないが決まります。通院のためのアドバイスとしては、次の受診までに生活姿勢や疑問点、体調の変化など伝えたい事をメモして準備しておきましょう。そうすれば、医師・歯科医師とのコミュニケーションがとれて診察内容が充実します。
一方の一般用医薬品は、最近ではOTC(Over-The-Counter)医薬品と呼びます。処方せんなしで、カウンター越しに手渡せる(買える)医薬品という意味です。薬剤師に相談して購入するイージーオーダーと言えます。安全性を第一にしていて、医療用医薬品より有効成分の量を少なめにしたものが多く、セルフメディケーション(直訳は自己薬物療法)に使います。
つまり、健康を自己管理し、軽い病気の症状を和らげたり予防するために、自分の責任で薬を使うのです。例えば、軽い腹痛が起こり、薬局・薬店で買った薬で治ったという具合です。自然治癒力に任しても治らない時、我慢すればかえって状態は悪くなることがあります。ただし、軽い症状に使う薬と言えども、薬は薬。知っておく基本は、医療用医薬品と同じなのです。
薬のことはなんでも、薬剤師に気軽に相談してください。
お薬について考えよう -薬とは? (徳島の生活情報誌“さらら” 徳島新聞社発行 2008年1月24日掲載)