■原水、原湯、上がり湯及び上がり用水 水質基準項目の性質・性状等
No.2 | 大腸菌群 |
基 準 値 | 50mL中に検出してはならない |
性質・性状 | グラム陰性、無芽胞の桿菌で、乳糖を分解してガスを生産するすべての好気性及び通気嫌気性の細菌の総称。 |
主な汚染源 | 下水、し尿、雑排水等の生活系排水。降雨による土壌の流出。畜産業、水産業等の排水。 食品、化学、紙・パルプ、皮革工業等の排水。 |
影響・被害 | 大腸菌群は、Escherichia属(大腸菌も含まれる)、Citrobacter属、Enterobacter属、Klebsiella属から主に構成される細菌群である。 大部分は病原性を示さないとされているが、その中には尿路感染症、呼吸器感染症、肝・胆道系感染症、敗血症、腹膜炎などの原因となる菌もあり、WHOの飲料水、水質ガイドラインで日和見感染菌として報告されている例もある。 |
対 策 | 煮沸消毒、塩素・オゾン・紫外線滅菌 |
No.46 | pH値 |
基 準 値 | 5.8~8.6 |
性質・性状 | pH7は中性で、これより値が大きくなるほどアルカリ性が強くなり、これより値が小さくなるほど酸性が強くなる。水道施設の腐食等を防止する観点から水質基準が決められている。 |
主な汚染源 | 貯水池では藻類が繁殖した場合にかなり強いアルカリ性となり、pH9~10に達することもある。 井戸水やボーリング水は水質の変化が少ないので、急激に酸性やアルカリ性に変化したら、工場廃水や汚水などの混入が考えられる。 |
影響・被害 | 飲料水としては中性(pH値7)付近にあることが望ましい。 水道施設の腐食が発生する。 |
対 策 | 水源変更、アルカリもしくは酸処理、エアレーション |
No.49 | 色度 |
基 準 値 | 5度以下 |
性質・性状 | 色度とは、水中に含まれる溶解性及びコロイド性物質が呈する黄褐色の程度をいう。 |
主な汚染源 | 自然水が着色している原因は樹木などの植物が腐敗・分解される過程で生じるフミン質が主である。 給水栓水では溶出する金属によって、亜鉛では白色、鉄錆では赤色、マンガン酸化物では黒色、銅では青色の着色現象がみられる。また、下水、汚水が混入することもある。 |
影響・被害 | 清澄な水は無色透明であるが、着色した水は健康に影響を及ぼすものが含まれている可能性がある。 |
対 策 | 浄水器の取り付け、凝集沈殿、オゾン、塩素、粉末活性炭 |
No.50 | 濁度 |
基 準 値 | 2度以下 |
性質・性状 | 濁度とは、水の濁りの度合いをいう。 |
主な汚染源 | 地下水では、溶解している鉄・マンガンが大気と接触し、酸化されて濁りを生じることがある。水道水では、水道管壁に付着した鉄錆などがはく離して濁りを生じることがある。 また、下水、汚水、土砂、薬品等が混入することもある。 |
影響・被害 | 清澄な水は無色透明であるが、濁度の高い水では、病原性微生物や水に存在する粒子に吸着された有害な無機物、有機物の中の健康に影響を及ぼすものが含まれている可能性がある。 特に水道原水にクリプトスポリジウム汚染源があると考えられる場合などは、慎重な処理・操作が必要となる。 |
対 策 | 浄水器の取り付け、凝集沈殿ろ過 |
No.51 | 過マンガン酸カリウム消費量 |
基 準 値 | 10mg/L以下 |
性質・性状 | 水中の有機物濃度を示す指標として定められた。 |
主な汚染源 | 土壌由来や、し尿、下水、工場廃水などの混入による。 |
影響・被害 | 一般的に、有機物が多ければ渋みがある。汚染された水ほど高い値になり、水質汚染の重要な指標になる。 |
対 策 | 浄水器の取り付け、凝集沈殿、ろ過、膜ろ過、オゾン、活性炭、生物処理 |