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薬は、病気の治療や予防、調子の悪い症状をおさえたり、病気の重さや病名を調べるための診断に使います。子供も時には薬が必要ですが、大人向けの薬の量を安易に減らして与えられません。子供の体は大人と違います。例えば、赤ちゃんの体内水分量が80~70%もあるのに大人は55~60%、高齢者は50~55%。体も未発達。加齢とともに大人に近づきます。
内服薬をのむと、通常は大部分が胃で溶けて、十二指腸から小腸へ行く間にこれらの消化管から吸収され、門脈(血管)を通って肝臓に入ります。一部は分解され、残りの成分が血液の流れにのって効果を発揮。時間がたつと尿や便に出て効果は消えていきます。こうした薬の吸収、代謝(体内で外から入った物質がたんぱく質などで変化すること)、排泄の過程(薬物動態)で働く胃や肝臓、腎臓、腸などは、子供は特に未発達。 |
(C)MPC |
菌交代症になると、抗生物質で治せる病気の菌が死滅しても、腸内細菌叢のバランスがくずれ、その抗生物質に効かない菌(耐性菌)が現れて別の病気になります。
子供は副作用の症状をうまくいえないので、むずかる・食べないなど心配な様子に気づいたら処方医・薬剤師に相談してください。
子供の薬は、成長にあわせてのむ時・使う時のタイミングと薬の量をかえます。例えば、生後5ヶ月頃の赤ちゃんは離乳食1回と授乳が5~6回で、お乳をのむとよく寝ます。1日3回のむ薬は、朝・昼・夕あたりの授乳前にのませ、寝ているのを無理に起こす必要はありません。薬の量は薬の説明書(添付文書)にあり、子供を小児と記すことが多く、15歳未満がほぼ目安。さらに体重2500g未満を未熟児(低体重出生児)、生後4週未満を新生児、生後1歳未満を乳児、7歳未満を幼児としています。処方薬は量が大人より多いことがあります。例えば、マクロライド系抗生物質酢酸ミデカマイシンの1日量は体重20kgの小学生で400~800mg。大人は600mg。また、添付文書に子供向けの量を書いている薬は20%程度。大人向けの量のみ書いた薬を使う場合、処方医や薬剤師が子供に使えるのか添付文書や資料を調べ、大人向けの量を基準に年齢・体重・体表面積から量を計算して時に血中濃度も調べます。OTC(Over-The-Counter)医薬品は、添付文書の使用上の注意などを読んで子供の使える薬を選びましょう。
ところで、子供は何かアレルギーをもっていることがあり、小児科や耳鼻咽喉科などで検査しておきましょう。例えば、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など。薬のアレルギーも気をつけましょう。原因はゼラチンやパラベンといった医薬品添加物か有効成分。食物アレルギーを例にみると、卵(卵白)アレルギーの子供は炎症を治す薬塩化リゾチームがのめません。リゾチームは卵白に含まれるたんぱく質です。OTC医薬品を買う時、処方薬をもらう時は、処方医・薬剤師に何のアレルギーがあるのか必ず伝えてください。さて、子供用の薬は甘味と香りなどでのませやすく、OTC医薬品は特にそうです。一方、処方薬 は後味が悪いとか薬が嫌いとかでのんですぐ吐いたりいやがることがあります。一般に内服薬が胃の中にとどまる時間はのんでから20~30分程度。すぐ吐いたならもう一度のませます。のめたらほめてあげましょう。繰り返し吐く時は薬剤師や看護師、処方医に相談しましょう。
味を隠す場合、苦味を例にすると味覚センサーは舌の根元。yオブラートで包んだ薬を舌の真ん中においてのませます。服薬補助ゼリーは、ゼリーの上に薬をおきその上にゼリーをおいて薬を包んでのませます。食品でものむ時に1回分を混ぜられますが、相性に気をつけましょう。よけいに苦くなったり効果が悪くなります。甘味になるハチミツは、1歳までの赤ちゃんではハチミツにボツリヌス菌が多いと腸内細菌叢の未熟さから乳幼児ボツリヌス症 になることがあるので避けたほうが良いと思われます。食品やオブラート・服薬補助ゼリーの薬との相性、のませ方を薬剤師に相談しましょう。
子供(小児)の薬 (徳島の生活情報誌“さらら” 徳島新聞社発行 2008年9月18日掲載)
日本は、病気になっても誰もが安心して治療を受けられるよう医療保険(国民健康保険や社会保険など)に加入することになっています(国民皆保険制度)。しかし、バブル崩壊後は財政難の上、高齢者が急速に増加。総務省統計局によると、今年2月時点(総人口1億2771万6千人)で5人に1人が65歳以上です。徳島県は7月(推計)時点で4人に1人。国民医療費は増えて医療保険の財源はピンチ。患者さんの負担も増額。国は医療費を減らし財政と患者さんの負担を改善しなくてはなりません。その手段の一つが安い後発医薬品を使うこと。これは後発品とかジェネリック医薬品、GEともいいます。対意語の先発医薬品は新医薬品のこと。先発品や新薬、ブランド薬ともいいます。例えば、抗ウイルス薬アシクロビルで単純疱疹を治療する時。先発品のゾビラックスTM錠200は1錠284円90銭で、1回1錠を1日5回内服すると1日分が1424円50銭。後発品のクロベートTM錠200では1錠60円60銭なので1日分は303円と安くなります。
先発品の特許期間(特許法できめられたもの)と再審査期間が終わった後、他の製薬会社も厚生労働省(厚労省)へ申請し審査で認められると製造・販売できる処方薬(図)。有効成分や効能・効果が先発品と同じです。
特許法とは?
出典:日本製薬工業協会
まず、厚労省から製造・販売の許可をもらう条件と過程が違います。先発品の場合、製薬会社が有益な効果をもつ新成分を薬として開発するには数十年の歳月と百億以上のぼう大な費用がかかります。有効性と安全性を確かめるため、動物実験とヒトを対象にした臨床試験などの試験を重ねるのです。その結果を厚労省へ提出し審査で認められると製造開始。新薬の誕生です。厚労省が薬価基準制度により薬の価格をきめて告示(薬価収載)すると処方薬として販売開始。発売後も有効性と安全性を見直す再審査をします。新薬の開発中、製薬会社は特許を出願。出願してから20~25年の間、独占して製造・販売できます。特許権は新有効成分(物質特許)や有効成分の新しいつくり方(製法特許)などがあります。
一方の後発品は、通常、先発品の物質特許期間と再審査期間が終わった後、他の製薬会社が厚労省へ申請し審査で認められると製造・販売できます。一般に医療機関でよく使われる先発品ほど後発品は多く、例えば、高血圧症治療薬アムロジピンベシル酸塩では今年7月に34社から70品目が登場。先発品のノルバスクTM錠とアムロジンTM錠は国内で年間2000億円の売り上げを誇ります。開発の時間と費用(数千万円)は先発品よりも少なく、先発品の使用経験と副作用情報があるので有効性と安全性を確かめる臨床試験や薬物動態・薬理作用に関する試験をしません。乳化剤、保存剤などの医薬品添加物や製造方法は違うため、
などを試験して有効成分や効果が先発品と同じであることを確かめます。生物学的同等性試験は、健康な成人志願者20人以上に後発品と先発品を交互にのんでもらい血中濃度(時に尿検査)の変化に差がないか調べます。こうした試験結果を厚労省へ提出し審査を受けて許可をもらいます。
さて、後発品は先発品より開発費が少ないことから薬価が安く先発品の7割程度。先に薬価収載された後発品があると一番安い薬価になります。薬価は2年毎に見直される度たいてい値下がり。数年過ぎるともっと安い後発品が登場。しかし、先発品と差額が少ないと後発医薬品調剤加算や情報提供料などで医療費が増えたり、製剤に工夫をした後発品が先発品より高いことがあります。例えば、高脂血症治療薬メバロチンTM錠10(1錠124円40銭)。後発品のオリピスTM内服液10mgは1包157円30銭。こうなると経済メリットよりも治療効果やのみやすさ、品質のよさがポイント。
処方薬の薬価を調べるには?
今年4月から、患者さんが初めて先発品から後発品に変える時は処方せんが1ヶ月や3ヶ月など長期分であっても1週間分くらい試しに使えます(分割調剤)。処方医が処方せんに薬の名前を一般名称(成分名)で書き、後発品に関する欄に署名などがないと後発品へ変更できます。効果が出始めるまでの時間、効果が続く時間、効果の強さに先発品との違いがあるか、体に不都合な症状がないかをお薬手帳に記録しましょう。お薬手帳は調剤薬局でもらえます。昔は先発品の特許期限が切れると同時にゾロゾロと発売されたのでゾロなどと呼ばれ、安いだけで質の悪いイメージがありましたが、厚労省は1997年から審査条件を変えて見直しはじめ信頼できる後発品をめざしています。どの製薬会社の後発品を選ぶのかは薬剤師と相談し、信頼できる品質か、薬の情報はしっかりしているか、薬価や効果、製剤の特徴など先発品との違いについて説明を受けましょう。
(薬価:2008年4月収載分)
後発医薬品(ジェネリック医薬品Generic Drugs;GE)と上手に付き合おう
(徳島の生活情報誌“さらら” 徳島新聞社発行 2008年8月21日掲載)
近年、日本でブームの健康食品やサプリメント。ヨーロッパやアメリカでは健康食品という言葉はなく、フードサプリメントやダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)として知られています。普通の食品とわけるための法律が日本よりも早くからあるのです。
<参考>海外調査報告書領2004年2月26日(厚生労働省)
一方、日本の健康食品は普通の食品より健康に良いといって売られている食品。現状をみると、サプリメントも健康食品と同義語と考えられます。原材料(素材)はビタミンやミネラル、ハーブ、海外の伝統薬、生薬などいろいろ。見た目が薬と似た剤形(錠剤、カプセルなど)でも、薬のような効能・効果を表示できません。法律(食品衛生法)では、薬事法で決められた医薬品や医薬部外品でないすべての飲食物は食品になります。
食品は、体をささえる栄養素、食品特有の味・香り・色などでおいしさをだす、体調を整え病気の予防・回復や健康維持・増進に役立つ役割があります。
サプリメントは健康に期待できる効果や安全性が会社によって違います。製造と販売の規制がゆるく、生薬や伝統薬、ハーブは、植物の種類や根や葉など使う部分、加工方法などが会社により違うとか誇大広告があります。信頼できる情報に目を向けましょう。
例えば、厚生労働省ホームページの「健康食品」は独立行政法人国立健康・栄養研究所の「健康食品の安全性・有効性情報」とリンクし、素材情報データベースなどが見られます。このデータベースでは、アミノ酸、糖類、ハーブといったサプリメントに使われる素材の成分の特質や現時点の科学論文からわかる有効性・安全性情報などを掲載。販売されている個々の商品の安全性・有効性情報でなく、商品を選ぶ時の1つの目安になります。
ところで、日本の法律で登場したより優れたサプリメントに特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品があります。高齢者が増えて健康志向が強まり、食品のもつ「体調を整え病気の予防・回復や健康維持・増進に役立つ役割」が注目されてきたのです。商品は安全性と有効性がヒトや動物を対象にした試験で科学的に調査研究され、条件や基準を満たしたことがわかるトクホマークや摂取量などの表示があります。使い方とのむ量を守りましょう。トクホは平成20年6月現在786品目。血糖が気になり始めた人や血圧が高めの人に良い食品などがあります。
<参考>「健康食品」(厚生労働省)に 特定保健用食品(トクホ)許可(承認)品目一覧があります。
こうしたサプリメント以外に、様々な団体の審査基準を満たしたものがあります。例えば、(財)日本健康・栄養食品協会の健康補助食品。規格基準を満たした商品に認定マークがあります。他に、製造・販売会社自身が健康に良いといって売っている商品があります。マークは消費者が商品を選ぶポイント。しかし、中には評判を上げるなどの目的で表示にない薬を入れた商品があるので注意しましょう。例えば、スポーツ界で悪用される筋肉増強剤入りサプリメント。男性ホルモン作用をもつ薬(THG)が世界的な大問題となりました。世界アンチ・ドーピング機構(World Anti-Doping Agency :通称WADA)という機関は規程(WADA code)をつくり、スポーツ選手が薬などを使い競技力をアップするずるくて危険なドーピング行為を取り締まっており、違反者に厳しい罰則があります。国際競技や国民体育大会をはじめ、他の競技会でも出場選手は規程を守りましょう。サプリメントを使う前に、本当に必要なのか信頼できる商品なのか必ずスポーツドクターなどに相談しましょう。
さて、サプリメントは老化を防いだり不足しがちな栄養素を補い病気の予防に期待して続けられるのに対し、薬は病気の治療や症状の改善・診断に使い、病気が治れば服薬し続ける必要はありません。サプリメントをのんでいて体調が良くならない、体に不都合な症状が現れるといった時は我慢せず医師・薬剤師へ相談しましょう。その素材の効果が自分に良いのか、食品保健指導士、サプリメントアドバイザーなどの資格をもつ人に相談しましょう。
例えば、カフェインの多いハーブ「マテ、ガラナ」を含む商品は、子どもに刺激が強すぎることがあるので控えましょう。ちなみに、医師、栄養士、薬剤師、保健師などの中に資格をもつ人がいます。 処方薬やOTC(Over-The-Counter)医薬品との相互作用も良し悪しがあり、処方医・薬剤師に相談しましょう。例えば、骨粗しょう症治療薬ビタミンD3製剤は腸管からカルシウムの吸収を進めて骨の形成効果がありますが、サプリメントでカルシウムを余分にのみすぎると体に不都合な症状のでることがあります。良い例では、貧血に使う鉄製剤はビタミンCと一緒にのむと鉄の吸収が良くなります。
上手に付き合おうサプリメント(健康食品) (徳島の生活情報誌“さらら” 徳島新聞社発行 2008年7月17日掲載)
薬は、病気の治療や予防、診断、目的の症状を改善する働き(主作用)をもち、1種類のんでも効果を発揮します。時には、体に不都合な症状(副作用)のでることもあります。2種類以上の薬を一緒にのんだり使ったりする(併用)となると、薬どうし互いの作用が影響し合う相互作用が現れ、作用が強まり(協力作用)効果が強くですぎたり、反発し合って弱まり(拮抗作用)効果がなくなったり弱くなる他、思わぬ副作用のでることがあります。例えば、薬局・薬店で買うOTC(Over-The-Counter)医薬品は、乗り物酔いや頭痛など軽い症状を改善する薬ですが、頭痛薬と生理痛止めを両方のむと、同じ作用をもつ成分が重なるため、痛みは止まっても副作用(胃の不調など)のでることがあり、併用できません。
相互作用をのみ合わせともいいますが、相互作用のある薬は剤形(内服薬、外用薬、注射薬)を違えた組み合わせも気をつけましょう。例えば、糖尿病の治療で血糖を下げる内服薬を飲んでも血糖値が良くならないと、血糖を下げる注射薬インスリンを併用して調節する場合があります。血糖の下がりすぎで低血糖にならないよう食事を抜かずきちんと食べ、ブドウ糖や砂糖を常に携帯しましょう。このように、相互作用は薬の作用や効果を組み合わせると現れます。他に、薬の吸収や代謝(体内で外から入った物質が酵素などにより変化すること)などが併用した薬で変わるために現れる場合もあります。例えば、ニューキノロン系抗菌薬は、胃酸を抑える成分(マグネシウム、カルシウムなどの金属イオン)を含む胃薬と併用すると、消化管内で金属イオンとくっつき吸収の悪い化合物に変わるため効果が弱まります。このような胃薬は、抗菌薬を飲んだら2時間以上あけて飲みましょう。
複数の医療機関から処方薬をもらう時や処方薬とOTC医薬品を併用する時、OTC医薬品を併用する時は、相互作用で副作用がでないよう、処方医・薬剤師へ使っている薬をすべて伝えて相談しましょう。薬の説明書(添付文書)は、その薬と相互作用のある薬を記しており、OTC医薬品を使う時は使用上の注意をよく読みましょう。処方薬は、命に関わる重い副作用がでるため絶対使えない(併用禁忌)薬と、相互作用に注意しながらそのまま使うか、使い方を工夫する(併用注意)薬にわけています。併用注意の例をいうと、喘息治療薬テオフィリンは、マクロライド系抗菌薬を併用した時にけいれんや頭痛などがでることがあります。これは、抗菌薬がテオフィリンを代謝する酵素の働きを邪魔し、テオフィリンの作用が強まりすぎるため。その場合、他の薬に変えるか、テオフィリンの量を減らします。自分で判断せず、使う薬と併用して大丈夫か、使う薬のうちどの薬のどんな効果や作用が強く(弱く)なるか、相互作用のない薬で副作用がでる時は、必ず相談しましょう。
さて、相互作用は注意しないといけませんが、その一方で良さがあります。治療や症状改善の効果アップ、薬の量を少なくし副作用を抑えるなど…。その代表が古くから伝わる漢方薬で、配合される生薬の組み合わせは、生薬どうしの協力作用で効果を上げ、副作用も抑えて作用を調和するといった良さを利用しています。また、OTC医薬品も良さを利用した製剤が多いのが特徴。例えば、熱さましや痛み止めは、痛みや発熱を起こす物質が体内にできるのを抑える薬、脳の体温調節中枢に作用して熱を下げる薬、鎮痛作用を強めて神経を鎮める薬、解熱・鎮痛成分の副作用(胃の不調)を抑える薬などを配合した製剤があります。一方、医療機関で薬を処方する時も良さを利用します。その組み合わせは患者さんに合わせたオーダーメイド。処方医・薬剤師に良さを聞きましょう。
ところで、薬は飲食物や健康食品と併用しても相互作用が現れることがあり、やはり相性の良さと悪さがあります。使い方を工夫できるよう、処方医・薬剤師に相談しましょう。良い例としては、最近、若者などに多いとされる亜鉛不足の味覚障害。ひどい時は亜鉛を含む薬を飲んで治療します。亜鉛は、クエン酸やビタミンCと一緒に飲むと体内に吸収されやすく、食事や健康食品でビタミンを補給するのも一つの工夫です。
薬の「相互作用」、薬と飲食物との「のみ合わせ」 (徳島の生活情報誌“さらら” 徳島新聞社発行 2008年6月19日掲載)
薬には、治療を目的とした患部に直接作用する(局所作用)薬と、体内に入り循環する血液の中へ送られ、全身的な効果を現わしたり、特定の器官へ達して効果を現わす(全身作用)薬があります。内服薬は主に、食道から胃、更に十二指腸から小腸へ行く間にこれらの消化管から吸収され、門脈(血管)を通って肝臓に入り、循環する血液中へ送られ全身作用を現わします〔図:薬の体内での流れ(口からのんだ場合)〕。時間が経つと、薬は尿や便に出て行き効果も消えていきます。
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図(1日に3回のむ薬の場合)のように血液に入った薬の濃度を血中濃度と言い、病気の治療や予防に有効な薬の量を判断する目安になります。
高血圧症などの慢性病では、血中濃度を一定に保つよう時間通りにのみます。
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さて、薬の効果には主作用と副作用があります。主作用は、薬を病気の治療や予防に使う時、その目的にかなった薬理作用のこと。例えば、抗菌薬は病気の原因を取り除く治療(原因療法)に使い、感染症を治すため細菌を死滅または弱らせます。
一方の副作用は、治療などの目的以外に出る望ましくない効果のこと。薬は有効性と安全性に配慮し開発されていますが、副作用のない薬はないと言われ、薬の量や使い方を守っても出ることがあります。早い時期に現れて予測できるものからできないものまで、症状は様々。ライエル症候群のような死に至る重い副作用は発症が少ないと言われていますが、使う薬の副作用は知っておきましょう。薬を処方してもらう時、調剤薬局でもらう時、自分で購入する時に注意する症状を確認。もし、その症状が出た時は担当医・薬剤師にすぐ連絡しましょう。副作用が出ると通常、薬の使用は中止。薬が止められない場合は薬の量を減らすか他の薬に変更。
副作用を抑える方法には、製剤の工夫や補助薬の使用などがあります。例えば、抗ヒスタミン薬の副作用「眠気」は、脳に薬の成分が入りヒスタミンの興奮作用を抑えて神経を鎮めるために起こります。そこで、脳への影響を少なく改良した製剤が開発されています。一部の解熱鎮痛薬は胃腸障害があり、これを防ぐため空腹時を避け、胃薬と一緒にのむことがあります。更に、病気の症状が悪くなる時間帯や体内リズム、製剤の特徴をみて、薬を使うタイミングを変えることで、副作用を軽くしたり、薬を有効に使うこともできます。特に慢性病の方は、1日のうちで症状が重くなる時間帯をメモして医師・薬剤師にお気軽にご相談ください。
ところで、副作用以外にも薬によっては問題があります。そのうちの耐性について言うと、薬の連用により普通の量では効果が減り、同じ効果を得るためより多くの薬の量が必要になります。便秘薬の生薬センナなどは大腸を刺激して便通をつけますが、常用すると習慣になり薬用量が増える場合があります。腸の運動に影響し、耐性ができて効果が弱まるからです。こうした場合は他薬に変更。排便の回復で服薬中止か薬用量を減量。便は夜作られ、睡眠中に直腸に運ばれると言われています。食事をすると腸が活発に動くので、朝食後は排便に集中できる時間を取り、排便リズムや生活習慣を見直しましょう。
薬の効果と副作用 (徳島の生活情報誌“さらら” 徳島新聞社発行 2008年5月1日掲載)